自主企画のイベント「デジタルデトックス読書会」から学んだことをテーマ連載記事としてアップしています。
テーマ連載【デジタルデトックス読書会から分かったイベントづくりのコツ 】
1.みんなが読書イベントに求めていることは、読書の○○をつくってもらうこと!
今回はその第3回。
参加者を集めるコツについて、企画という観点から解説
「デジタルデトックス読書会」(以下DDD)は、もともと参加者が少なくても成り立つイベント内容だったというのもありますが、開催するのに十分な人数の参加者が集まってくださいました。
今、ひとを集めるには「まずSNSで広報」という考え方が主流です。
そのため、「自分のアカウントに集客力がないと、ひとを集められない」、と考えてしまい、イベント開催を先延ばししておられるひともいるかもしれません。
私はSNSのフォロワー数も少なく(2桁です!)、このブログも、アメブロやはてブのようなコミュニティーがないため、アクセス数は限られています。
それでも、
- 会場が自治体が運営に関わっているコワーキングスペースだったこと。
- そのコワーキングスペースを普段利用してくださっている方が参加してくださったこと。
- コワーキングスペースのSNSアカウントに拡散力があったこと。
- すてきなフライヤーをデザインしていただけたこと。
- イベントに協力してくださった企業様とのご縁で、地元の新聞に告知記事を掲載していただけたこと。
これらの大変恵まれた条件のおかげでイベントの存在を知っていただくことができました。
私の力ではなく、ひとえにさまざまな方々のご協力によって、成功したイベントだったと思います。
ですが、私の担当である、「企画」という視点から分析してみたところ、参加者のニーズをとらえた企画でもあったことが分かりました。
この点で、微力ながら私も申込者数アップに貢献できていたのかもしれません。
この、「参加者のニーズにフィットした企画を作る方法」について、非常にシンプルなコツがあるので以下で解説します。
「ひとが来てくれるイベントのアイデアを探す方法」と、「新規ビジネスでのニーズの見つけ方」は同じ
これに気づいたのは、『1万円起業』というビジネス書を読んでいた時のことでした。
現在は文庫版が流通しています。
クリス・ギレボー(2015)『1万円起業』飛鳥新社
https://www.asukashinsha.co.jp/bookinfo/9784864104043.php
この本は、アイデア勝負で小商いを始めたいひとにはとても参考になる一冊です。
机に向かってマーケティングなどを一から勉強するよりも、まずはこの本に書かれていることを気楽にやってみるのも一つなのではないか、と思います。
起業して大きな成功を狙う!というのではなく、収入の大黒柱は夫(妻)で、自分はパートやアルバイトなど副収入で家計を支えているという方が、まずは自分のできる範囲でフリーランスとしてやってみたいと考えている場合、おすすめの本です。
ビジネスを始める際、ひとが本当に欲しがっているものを提供するということが大切かと思いますが、意外とこれが難しい。
お金を払ってもいいと思うくらい、人々が本当に望んでいるものはなんなのでしょうか。
「『ニーズ』の簡単な見つけ方」(単行本のp.57より)という項には、これを見つけるための方法が簡潔に紹介されています。
ひとは、
1.あるものをより多く増やしたいと願っている
2.あるものをより少なく減らしたいと願っている
1の増やしたいものの例は、お金、愛情、自由、時間など。
2の減らしたいものの例は、ストレス、争い、葛藤、不安などです。
このように、例を挙げると分かりやすいと思います。
本文には「あなたのビジネスが、人のほしがるものをより多く提供するか、ほしくないものを取り除くこと(あるいはその両方)を目的にしているなら、そのやり方は間違っていない」(単行本のp.58より引用)とあります。
ここでDDDはどんなイベントだったのか、振り返ってみます。
1.について→「読書をする時間」を増やす
2.について→「デジタル機器と触れるストレス」を減らす(デジタルデトックス)
なんとDDDは、1と2の両方のニーズを満たしているイベントだったのです!
現代人が強く求めている、もう一つのニーズ
私は、『1万円起業』の「『ニーズ』の簡単な見つけ方」では解説されていないニーズが、もう一つあるのではないか、と思っています。
それは習慣化(「続けたい」というニーズ)。
現代的なニーズの一つだと思います。
ダイエットや軽い運動、楽器の練習、語学の勉強など、ある程度継続することにより、効果を発揮するものがあります。
現代人にはこういった習慣を身につけたいと考えているひとが、とても多い。
一朝一夕では身につけられないようなスキルを持っているひとは、社会的に高く評価されるためです。
DDDは、「ランニングサークルをアイデアの参考にした」と以前の記事で書きました(みんなが読書イベントに求めていることは、読書の○○をつくってもらうこと! )。
ランニングなどの運動と同じように、読書も習慣化を望んでいるひとが多い行動の一つだと思います。
DDDは定期開催を目的にはしていませんでしたが、参加者にはできればイベント後も自宅で読書の時間を定期的に持ち続けてほしいな、と考えていました。
DDDでは、残念ながら読書の習慣化のサポートまではできませんでした。
でも、現代人のニーズの一つである「習慣化」にも少し訴えかけていたアイデアだったことが、結果的に参加してくださった方の興味関心をひいたのではないか、と考えています。
参加者のニーズにフィットした企画を作るコツは、3つのニーズにあてはまっているかをチェックしてみること
DDDは企画のアイデアにおいて、以下のニーズを満たしていたと言えます。
1.ひとがより多く増やしたいと願っているもの → 読書をする時間
2.ひとがより少なく減らしたいと願っているもの → インターネットやSNS、デジタル機器によるストレス
+α ひとが習慣化したいと願っているもの → 定期的な読書
そしてこれらのニーズを持った方々が、参加者としてきてくださったのです。
これを参加者が集まってくれるイベント企画のコツとしてまとめてみますと以下のようになります。
あなたのイベントアイデアが、以下のうち一つ以上にあてはまっているか、確認してみてください。
- 参加することにより、ひとがより多くしたいと願っているものを増やすことにつながる
- 参加することにより、ひとがより少なくしたいと願っているものを減らすことにつながる
- 参加することにより、ひとが続けたいと願っているものを習慣化するきっかけとなる
日々の暮らしからイベントのタネを探してみよう
誰もが参加したくなり、しかも他ではあまり見かけないような、ユニークさが感じられるイベント。
こういった企画ができるひとは、今回紹介したようなコツを無意識に押さえているのだと思います。
今回の記事が新しくイベントを企画してみたいと思っている方や、これまでいろいろな企画をされてきた方の振り返りに役立つとうれしいです。
ぜひ、こういったニーズを探る視点を持って、日々の暮らしの中にイベントのタネが隠れていないか探してみていただけたら、と思います。
連載「デジタルデトックス読書会から分かったイベントづくりのコツ」記事一覧
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