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図書館関連書籍とグループワークでのアウトプット |
先日、奈良市の書店「ほんの入り口」さんで開催されたイベント、「図書館の入り口」へ参加させていただきました。
参加をきっかけに考えたことについて、ちょっとご報告したいと思います。
イベント「図書館の入り口」
イベント概要
7/6(日)17:00-19:00
会場:ほんの入り口さん
このイベントは登壇者のお一人である森本さん(@kohe_mori)より開催のご案内をいただきました!
図書館員が図書館の外、それも学校や役所などの公的機関以外の民間の場所でイベントを行うということは大変珍しいことだと思っています。
そのため、とても興味を持って参加させていただきました。
奈良県立図書情報館にお勤めの司書である藤本さんと県立図書情報館ファンの森本さんの対談を中心に、途中、参加者同士、小さなグループで話をする時間をはさみながら、イベントは進行。
イベントではグループワークで話が盛り上がると、イベント終了後も話し込んでしまうのですが、時計を見ると20時(1時間越え)でした(笑)。
今回、、純粋に図書館の外で現役司書さんがどういうお話をされるのか、図書館ファンの森本さんがどんなふうに図書館を活用しておられるのか、ということに興味があり参加しました。
ですが、思いがけず、グループワークでご一緒させていただいた方々のお話しから考えさせられ、気づかされたことが多かったので書き留めておきたいと思います。
そこには、フリーランスの司書として働く上でもヒントになる点がいくつかありました。
ファンは「支援(応援)したい」と思っている
まず、感激したのは、これだけ活字離れや本離れが叫ばれている世の中で、図書館や本に対して熱い思いをお持ちの方がほんとうにたくさんいらっしゃるのだな、ということ。
自分が司書としてトークイベントをさせていただいた時も同じことを感じましたし、これまで利用してきた図書館や司書さんへの感謝を述べてくださる参加者がおられたことについても、同様でした。
そして、そういった方々の中には、図書館をなんとかいち利用者として応援したい!と考えておられる方もいらっしゃるということを知りました。
これは会場でも出ていた話なのですが、推し活であれば彼らの作品を購入したりイベントに参加することでお金での応援ができますが、図書館の場合、サービス自体に料金が発生しない(発生していないように見えているだけで、無料ということではありません。税金で賄われています)ため、図書館ファンの方は、応援の仕方に困っている、ということでした。
「サービスが良ければお客様は応援したい、支援したいと思ってくださっている」ということを改めて感じました。
このようなことは、確かにビジネス書などには書かれているのですが、今回のようなイベントや生の現場で体感すると、腹落ち感が違うなと思います。
図書館に限らず、多くのビジネスは誰かの悩みや困りごとの解決をすることで成り立っている、といいます。
その仕事が世の中で必要とされていて、サービスの質が良く、倫理的に問題のないものであれば、「本気で支援したい」「もっと自分もそのサービスに貢献したい」と思ってくださる方がお客様の中にはいらっしゃる、ということです。
今回のイベントでの気づきから、私も自分のサービスを「面白い」と感じて応援してくださる方には、もう少し頼ってみよう、と思えるようになりました。
困っていること(課題や悩み)はどんどん外へ出す!
今回のイベント参加を通して感じたのは、「図書館の抱えている困りごと・悩みごとが利用者側からはわからない」という現状でした。
私は元図書館員の立場として、いくつか支援のアイデアが思い当たりましたが、一般市民の利用者の方にとっては、そういう案を思いつくことはかなり難しい、というかほぼ不可能なのではないか、と感じました。
図書館が具体的に「こういうことに困っています」ということをどんどん発信していく必要がある。そう感じました。
ただ、私は「○○が足りない」とか、具体レベルの困りごとだけでなく、図書館が長年抱えてきた問題も、オープンにすべきと考えています。
私は図書館の困りごとの根っこには、図書館界の構造的な問題や非正規公務員をはじめとする図書館員の雇用や待遇についての問題がある、と考えています。
しかし、こういうカタイ深刻な話は、ブログに書いたり、トークイベントで話してもダメだろうな〜と考えてきました。
みなさん図書館にロマンを持っておられるし、夢を壊すような内容になりますし。
「読み物やイベントは楽しくないと!」と。
しかし、今回のイベント参加で、図書館を本気で応援(支援)したいと考えている市民の方々がおられることを知ってしまいました。
それならば図書館側だって、本気で腹を割って、図書館業界が抱えている本質的な問題をオープンにし、100年先も「図書館」というシステムが世の中に続いていくように、その場しのぎの支援ではなく、永続的な図書館の存続に貢献してもらえるような本質的な支援をしていただけるようにしなければならない、と思ったのです。
おそらく、図書館員だけで困りごとや課題を自力で解決しようとするよりも、家庭内の問題をさまざまに調整してこられた主婦の方や民間企業にお勤めの方の方が、実現可能な思いもかけないようなアイデアを出してくださるのではないか、と思います。
つまり、図書館ファンの方々の「支援したい」という気持ちが他に移ってしまわないうちに、業界的に非常に閉じてしまっている「図書館業界を開く」ということが必要なのだと感じました。
そして、急に個人的な話となりますが、私自身はプライベートでも仕事でも悩みや困りごとが多い方だと思います。
それは、生き方も仕事の仕方もマイノリティだからです。
世の中はマジョリティにチューニングされているので、マイノリティの立場だと既存の解決法がなく、起こる状況に対して、常に解決策を「作り出す」という作業を行っているように思います。
やはり、それはマジョリティとして生きるよりも困難ですし、疲れます。
私自身もどんどん「今こういうことに困っている」「こういうことに悩んでいる」ということを話し、発信していくことが必要だな、と感じました。
私はブログをはじめとする発信を、「誰かの問題解決」になるように書いてきたところがあるのですが、「こういうことに悩んでいる」という弱気な発信も増やしていけたら、と今回のイベント参加を通じて感じました。
↓これまではこちらのカテゴリーで比較的弱気な「迷い」発信をしていましたので、ご興味ありましたらご覧ください。
カテゴリー「書く悩み」
最後になりましたが、「図書館の入り口」を企画してくださったみなさま、ありがとうございました!
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