みんなが協力してくれるようなイベントを企画するには?

2023/12/12

イベント 図書館員の方に 連載


自主企画のイベント「デジタルデトックス読書会」から学んだことをテーマ連載記事としてアップしています。

テーマ連載【デジタルデトックス読書会から分かったイベントづくりのコツ 】

1.みんなが読書イベントに求めていることは、読書の○○をつくってもらうこと!

今回はその第2回。

ひとから「協力したい!」と思ってもらえるようなイベントを企画するコツ

イベントをやる、と決めたはいいけれど、こんな不安を感じたことはないでしょうか。

「他のメンバーやスタッフさんの協力が得られるかなあ……」

イベントはもちろんひとりでもできます。

でも、ある程度の参加人数を集めたい場合は、会場の準備や設営、広報など、本当にやることが多いので、誰かの協力が得られるといいですよね。

また、あらかじめ一緒にやってくれる仲間がいる場合は、そのひとたちのモチベーション管理も企画者のしごとだと思っています。

今回は、

  • スタッフの方が積極的に手伝いたいと思ってくれるようなイベント
  • 協力者が現われてくれるようなイベント

を企画するときの大事なポイントを紹介します。

協力者があらわれるイベントには2つのタイプがある

私は何でも「これはどうやって作られているのだろう」「どうしてこうなっているのかな」と分析や観察することが好きなのですが、街のさまざまなイベントを観察してみました。
そうしたところ、低予算でもいろいろな協力者が現われてくれるイベントには2つのタイプがあることに気づきました。

タイプ1:イベントの打ち合わせや準備の段階から、楽しそうで穏やかな雰囲気がある
タイプ2:イベントそのものが社会への強い問題提起を含んでいる

タイプ1 イベントの打ち合わせや準備の段階から、楽しそうで穏やかな雰囲気がある

なんだか楽しそうな雰囲気を作ることで、そこにひとは集まってきますし、また加わりたくなるものです。

デジタルデトックス読書会」はタイプ1です。

大人の部活動のような感じでしょうか。

「何かここに加わると楽しそう」と思ってもらえるように、準備段階からできるだけ工夫や配慮をしたつもりです(充分ではなかったと思いますが💦)。

また、それを他のスタッフさんも理解してくださり、そのような方向に向いて進めていけたことが大きかったです。

初開催にもかかわらず参加者も一定数集まり、次回開催を望む声もいただけたので、イベントとしても成功だったのではないか、と思います。

タイプ2 イベントそのものが社会への強い問題提起を含んでいる

タイプ2は、タイプ1とは全く方向性の異なるイベントです。

イベントで、社会問題を扱っている場合に有効です。

「これは世の中に必要なことだ!」と人びとの使命感に訴えることで、多くの協力を得ることができます。
クラウドファンディングの世界において、協力者を募るために使われている考え方のような気がします。

タイプ2でイベントを組む場合、外野のひとたちに「こういうことが世の中で起こっているのは、確かに問題だ」と気づかせてくれるような内容で企画をする必要があります。

タイプ2の例としてご紹介したいのが「犬に名前をつける日」という映画です。

※2023年9月現在、Amazonプライム会員は無料で視聴可能(今はプライム会員ではないので現在の状況は不明)。

この作品は保護犬(猫)にかかわる活動をしているさまざまな方々を追った、ドキュメンタリータッチの映画です。

この映画の中に、広島に本拠地を置くNPO法人「犬猫みなしご救援隊」の代表、中谷百里さんという方が登場します。

この方は広島に保護動物シェルターを持っており普段は広島で生活されているのではないかと思います。
ですが震災直後、わざわざ福島まで遠征され、原発20キロ圏内から1400頭の犬猫を一匹一匹保護し、救い出しました。

広島へはすべての保護動物を連れて帰れないので、私財を投じ、栃木県那須塩原市に総床面積2640㎡の保護施設を作ります(※1)。

映画を見ていると、初めは手弁当もしくは広島での活動用の資金で、福島での活動をされていたようでした。

中谷さんの活動を見て、たくさんの方がボランティアとして協力してくださるようになります。映画の中には集まったボランティアと撮影した写真も公開されていたように記憶しています。

中谷さんの福島での救出活動はイベントではありません。
ですが、社会で起こっている問題に気づかせてくれるような活動であれば、初めはたったひとり個人の活動だったとしても、賛同してくれる協力者がどんどん現れる、ということをここから学ぶことができます。

NPO法人 犬猫みなしご救援隊のWebサイト

また、映画(犬に名前をつける日)の方でも、ある「協力者」を募集しています。
それは、全国で自主上映会(上映イベント)をしてくださる方たちです。

社会への強い問題提起を含んでいるコンテンツ(映画)や活動により、協力者が集まる流れを作ることができる、ということが分かります。

これは、「活動」が「イベント」に代わっても有効な法則だと思います。

まとめ

このように、協力してくれるひとが現われてくれるようなイベントを作ることで、結果的にイベントの参加者も意識の高い人が集まってくれるようになります。

イベントにとって、好循環がうまれるのではないかと思います。
イベントを自分で企画する機会があったら、ぜひ今回の記事を思い出してみてくださいね。

<参考URL>
※1
長期支援を覚悟し、広島から栃木県那須市に移り住み2,500m²の土地を借り、私財を投じて保護施設を開始した。(2023.12.8 sited)
https://www.fesco.or.jp/winner/h24/126.php

連載「デジタルデトックス読書会から分かったイベントづくりのコツ」記事一覧

1.みんなが読書イベントに求めていることは、読書の○○をつくってもらうこと!

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