文章を書き始めたきっかけ
小さいころは、言葉を使って自分自身を表現したり、発信することは苦手でした。
あまりしゃべらない子どもで、表情も乏しく、周りの大人からは何を考えているのかわかりにくかったと思います。
絵を描くのが好きだった子ども時代については、こちらの記事にも書いています。
文章を書き始めたのは大学三年生のとき。就職活動がきっかけでした。
最近の採用試験に小論文があるのかどうかは知らないのですが、2000年代前半は入社試験に小論文が出る企業がたくさんあったのです。
その対策として、新聞を読み、書けそうなテーマの記事を一つ選んで、毎日決められた文字数で小論文を書く、という練習を始めました。
それまでは、感想文や手紙のようなものしか、私は書いたことがありませんでした。
結論を書き、自分の意見に続いて、その根拠や理由を書く、という、文章術の手本にのっとったようなライティングは初めてで、最初はほんとにつらかったです。
就活だけでも大変なのに、こんな訓練まで同時並行してやるなんて、と思いました。
ほとんどのひとが学校を卒業したら働くのに、就職先を見つけて入社するまでのプロセスが過酷すぎるのではないか。
そんなことを感じながら、東京と地元を夜行バスで往復しつつ、小論文修行を続けました。
しかし、あんなに嫌だったものも続けるうちに、筋力がついてきたのでしょうか。
「新聞から自分が気になる社会問題を見つけ、それについて意見を書く」ということに面白さを感じるようになってきたのです。
これが私が文章を書き始めたきっかけです。
パソコンに向かうのは、違和感を感じたタイミング
入社試験の小論文は、当日、どんなテーマが与えられるか、ほとんど予測不可能です。
そのため、他の筆記試験とは異なる対策法があります。
私は他の科目(小学校~大学含めて)は自信がありませんが、入試や採用試験対策のための小論だけは教えられるかもしれません。
事実、面接も、学科の筆記試験もふるわなかったのに、いくつかの会社に入社できたのは、小論の評価がそれなりだったからだと思います。
入社試験の小論対策の一つは、自分が書けるネタをいくつか用意しておくこと。
落語家さんが、自分の得意な噺をいくつか持っているような感覚です。
そのためには、「自分が関心を持っている社会問題」とそれについての考え、というのをセットにしてストックしておく必要があります。
そのセット作り、つまり「持ちネタ作り」のために、さまざまな社会問題に関心を持つようになりました。
でも、自分がすべての社会問題に興味をもてるわけではありません。
意見や考えを持つところまで進まず、「ふ~ん、そうなんだ」で終わってしまうことの方がむしろ多かったかもしれません。
そんな中、自分が意見や考えを持てるくらいまで関心をよせることができる社会問題には、共通点がありました。
それは、違和感。
「なんでこんな状況が、当たり前のこととして、受け入れられているんだろう?」
そう感じた時、私は友人や知人に確認したくなるのです。
「この状況をおかしいと感じる私の感覚って、ずれてるのでしょうか」と。
新聞に取り上げられる社会問題だけでなく、日本の地方で暮していると、違和感を感じる出来事にたくさん出会います。
多くの人ひとが不快感を感じているはずなのになぜか我慢していたり、本当は声をあげるべき状況なのに周りからどう見られるかが気になって、それができていなかったり。
私には「どうして他のひとは、この状況に耐えられるのだろう?」と疑問に感じる瞬間があります。
そして、「違和感を感じているのは、きっと私だけではないはず」という思いが原動力となって、就職活動を終えて小論文対策が必要ではなくなった今も、文章を書く生活を続けています。
「書くエネルギーの源が違和感」というのは、ちょっと暗いですよね。
でも、ネタ切れには困っていません。
私はこれからも「これって、おかしいよね?」「もっとこうだったら、みんなにメリットがあるはずなのに」と感じたことを、読んでくださる皆さんに問いかけ、書き続けていくのだと思います。
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