女性の体調の波。始業時刻を遅くしたり、フレックスタイム制を導入することで、医療費削減につながるのでは?

2024/11/11

働く 日常性

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8:30始業がしんどかった私

「図書館の勤務時間、拘束時間って一般的にはどうなっているのだろう」

そういったことを調べていた際に、自分の図書館員生活を振り返って思い出されることがありましたので、今回はそれについて書きます。

これまで勤務してきた職場の多くは公務系の事務仕事でした。そのため、基本的に8:30始業でした。

もっと始業時間の早い仕事もたくさんあると思いますが、私はこの時間でもきつかったです。

自宅から職場までの距離にもよりますが、この時間だと6時台には起床している方が多いと思います。
逆算すると、7~8時間睡眠の私の場合、10時台にはベッドに入る必要があるのですが、そうなると夕飯を食べてちょっと休んでお風呂に入ったらもう、寝る時間という感じで、プライベートの時間がほとんどとれない生活でした。

「女性ならでは」の、周期的な体調の波

女性はホルモンの影響を受けやすいと言われます。周期的な体調の変化に悩まされている女性は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

先週まで気持ちが晴れていたのに、今週はだるい。

今週は眠気が強くて、仕事が午後から眠くて困っている。

こういった数日〜一週間ほどのサイクルでの気分の不調や体調の変化は、多くの女性が経験したことがあるのではないでしょうか。

職場に「生理休暇」などの制度があったとしても、調子が悪いのは出血している期間だけではないのです。

ですので、その仕組みだけでは十分カバーしきれていないなあ、というのが私の実感です。

多くの男性にとって「女性は大変(体調がしんどい)なのは、月経時の1週間」、「女性は生理前はイライラすることが多い」という認識かもしれません。

実は生理による体調の変化(正確にはエストロゲンとプロゲステロンの分泌による体の変化)は、個人差が大きく、そんなにシンプルに説明できるものではありません。

そして、そのことを実は女性もあんまり知識として知りません。

義務教育で習ったりしないんですよね(30年前の話なので、今は習うのかもしれません)。

それで、無理なダイエットで生理が止まったり、会社勤めを始めて生理や生理前の不調が仕事に影響が出るくらいにしんどくなったときに、婦人科へ行き、始めて学ぶ、というパターンがこれまでは多かったのではないか、と思います。

身体のだるさや、やる気の出ないことなどを、自分の性格に原因がある(努力が足りない等)と思ってしまっている人もいます。

そんな状況ですので、女性も自分のしんどさを基準にして、他の女性の生理や、生理前の辛さを測ってしまいがちです。

しかし、繰り返しになりますが、実際はホルモンによる体調の波については、本当に個人差があります。

女性の心身とホルモンバランスとの関係についての分かりやすい音声解説

そこで、分かりやすい音声配信をご紹介したいと思います。

婦人科医の高尾美穂先生による、女性のホルモンと体調変化についての解説(youtubeですが動画でなく音声のみです)です。

1時間近くありますが、ハキハキ気持ちよく説明しておられて、非常に聞きやすいです。

特に、17分ごろからの「PMSが世の中で知られるようになった理由」という話は、昔も同じような悩みを持っていた女性はいたはずなのに、なぜ現代になって、こんなに女性のホルモン周期による不調にスポットがあたるようになったのか、ということを解説しています。

これは性別に関係なく、みんなが知っておいてほしい内容だと感じました。

私自身は、婦人科の持病と長く付き合っています。

治療をしているにもかかわらず生理痛に匹敵するような痛みが半年近く毎日続く経験もしましたし、治療前は生理痛の激しい痛みからトイレの前で倒れて気を失ってしまった経験もあります。

現在も、治療のために飲んでいる薬により毎日出血があり、夏場などはなかなか大変です。

そういう体調と折り合いをつけながら、仕事を続けている女性はたくさんいらっしゃると思います。

企業が始業時刻を遅くしたり、フレックスタイム制を導入することで、薬に頼らなくなる

ここで、始業時間の話に戻ります。

朝のスケジュールに全くゆとりがない生活を送っていると、「今週はだるさが強いので、15分長く寝ていよう」などの、ホルモンバランスなどによる体調の波があっても、起床時間の調整が全くできません。

ペットを飼っていると分かるのですが、具合の悪いとき、彼らは平気で長く寝ています。

「仕事なので休めない」といって元気な日と同じように出社し、薬でなんとか調整しているのが人間です。

ですが、例えば8:30出勤でなく、一時間遅い9:30出勤の仕事に変えた場合、だいぶ朝の時間の使い方が自由になります。

起床時間を遅らせ、少し遅くまで横になっていたり、いつもはガシガシ自転車をこいで通勤するところをバスや歩きに変えるなど、柔軟な調整ができるようになります。

「しんどいときは寝ていたり、ゆっくり動作する」という、動物本来の在り方に近くなり、医療に頼らなくても体調のコントロールができるようになります。

私の場合、現在はというと、週に数日出社していますが始業は遅めです。
これにより、会社勤めの快適さが大きくアップしました。

このほか、私の場合、家族関係がややこしかったこともあり、その由来の不安から、なかなか眠れないことが月に何度かあります。

日頃の起床時間が特別遅いわけではありません。

ですが、そういう不調で前日眠れなかったときに、突発的に起床時間を30分から1時間程度後にずらせるというのは、メンタル上、とてもメリットがあると感じています。

この、柔軟に増やせる1時間程度の睡眠時間があることにより、パフォーマンスを落とさずに仕事に取り組むことができます。

「6:30に起きないと、始業時間に間に合わない」という働き方よりも、体調がいまいちの日に、少し長く寝ていても間に合うような働き方。

「始業時間が何時からか」ということは、給与や待遇面などに比較すると、働くうえで些細なポイントかもしれません。

ですが、ひとによっては日々のパフォーマンスや仕事へのモチベーションにも、大きくかかわってくる部分ではないかと思います。

ちょっと大きな話なりますが、これにより、日々の疲れの蓄積がもたらす病気への予防についても、大きいな効果が見込めるようにも感じています。

私自身、起きる時間を体調によって柔軟に変えられるようになってから、風邪をひくことがほとんどなくなりました。

始業時間をフレキシブルにする、というのはとても小さい取り組みです。

ですが、こういった一人一人の働き方の変化が、国全体の医療費削減にもつながるのでは、と感じています。

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